ここは徳島県の美馬市脇町。戦国時代には脇城の城下町であり、江戸時代には吉野川の水運を利用した藍の集散地として発展した街です。漆喰塗の白い壁がズラッと並ぶ街並みは圧巻。
遠くの山々も見え昔にタイムスリップしたかのよう。旅行で来たと思われるチビッ子が「うわーすげー懐かしい!」と叫んでいました。あえて突っ込まず。
この街並みの特徴で特に目立つのは家の両側についている「うだつ」。防火用に隣家の延焼を防ぐためにつけられたもので「うだつ」自体は良く見かけますが、このように瓦まで載せ装飾性のある「うだつ」は初めて見ました。それも多くの家々にこのスタイリッシュうだつが付いております。
こちらは寛政4年(1792年)に建築されたという「吉田家住宅」。200年以上前からある建物です。こちらもスタイリッシュなうだつが付いています。
表通りに面する部分は閉鎖的な感じがしましたが、中に入るときれいな庭があります。
部屋に囲まれた中庭も。庭を介して入ってくる日光によって、建物両側に窓がないにもかかわらず明るい室内環境となっています。
完全にやられたっ!と思ったのがこのプロポーション。表通りと正反対からの立面で、同じ建物とは思えません。まったく想像していなかった姿でした。明らかに後ろから見られることも意識して抜かりなく設計しています。
それはさておき、「うだつ」の上がらないと言われるので、そんなことを言わせないように次回のモデルハウスで「うだつ」を採用する案を会議で提案したいと思います。