価値ある住まいをデザインする

石川県の建築会社「中部ジェイ・シィ」のブログ

たてもの探訪【高田松原津波復興記念公園】

ここは岩手県陸前高田市東日本大震災津波による大きな被害を受けた場所の一つです。震災の追悼と後世への記憶の伝承、世界に対しての復興の発信の場として「高田松原津波復興記念公園」は造られました。「津波伝承館」と「道の駅高田松原」が併設されており設計は内藤廣氏。

鎮魂の場の起点となるトップライトと水盤。ここからまっすぐ海に向かう道が「祈りの軸」

祈りの軸をまっすぐ歩いて振り返ると公園全体が見渡せます。さらにその奥には復興を遂げる街並みも。

沿岸部で見かける海と陸を隔てる防潮堤。津波から街を守るための大規模なものです。

 

こちらにも震災遺構が残されています。手前は陸前高田ユースホステル。左手の川の向こうには気仙中学校が見えます。


コンクリート造の建物が折れ曲がるほどの津波の破壊力。自然の猛威の恐ろしさを実感します。

 

その傍らには高田松原の7万本の中で1本だけ残った松の木。奇跡の一本松と呼ばれ復興のシンボルとなりました。

 

津波伝承館では津波に関する展示や歴史を学ぶことができます。

 

「海を臨む場」からは津波が来た広田湾が望めます。この美しい風景が時として大災害をもたらすことになる。いつか来るかもしれないその時に備えて、国家プロジェクトとしての防災の在り方を東北のあちこちで見ることができました。

 

その備えは自然と対峙するようなハードによるものだけではなく、記憶の伝承や防災への意識といったソフトな面も同時に行うことの必要性。様々な災害に見舞られる昨今、自分自身防災への意識を持つことの大切さを学びました。