ここは山形県酒田市。最上川と新井田川に挟まれた場所に建つ「山居倉庫」と呼ばれる倉庫群。
同じような蔵が全部で12棟並んでおり、倉庫の展示場のような景観になっています。
これらは1893年に米蔵として建設されたもので、いまだ現役で使われているそうです。
一見すると同じ作りに見えますが、細かい部分で違いがあります。
裏に回ると雰囲気が変わり、真っ黒になった木の板の壁がずっと並んでいて、
ケヤキ並木の緑のコントラストが非常にきれいです。このケヤキ並木は役割があり、
建物を直射日光や強い風から守るために植えられています。
屋根をよくみてみると、壁と屋根の間に隙間が見えます。すべての屋根が2重構造になっていて
屋根の下を風が抜けることにより、瓦の熱が建物内に入りにくく倉庫内の温度上昇を防いでくれます。
このように自然の力を利用することで、お米を長期間保存することを可能にしていました。
自然を上手に取り入れることで快適な環境を作り出す。古い建物をみると先人の工夫の跡が見られます。