価値ある住まいをデザインする

石川県の建築会社「中部ジェイ・シィ」のブログ

たてもの探訪【六甲枝垂れ】

神戸市の六甲山にある自然体感展望台【六甲枝垂れ】(ろっこうしだれ)。六甲山特有の自然の力を直に体感できる施設です。

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ドーム状の展望台に行く途中にある左右の池は氷棚といって、貯まった雨水を冬場に氷にする場所です。できた氷は氷室に貯めて夏場の施設内の冷却に使用するとのこと。通常、氷を作る場所は日光の当たらない日陰が好ましいのですが、山頂で日光を遮ることができないために、池には白い石を使って氷が解けるのを防いでいるそうです。

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ステンレスとヒノキで組んだドーム状のフレームは木の枝の役目となり、冬場は気候条件がそろうとフレームに樹氷がついて幻想的な風景になるようですが、あいにくの暖冬によって通常モードでした。残念。

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こちらの部屋は陽室、いわゆるサンルームで冬場は太陽光を取り込むことで暖かい環境を作っています。この日の六甲山の外気温は10℃でしたが室内は23℃とかなり快適でした。

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中央の円筒形の筒の内部です。冬場に作った氷が壁の向こうに蓄えられ、夏場になるとその氷が解けて水になり水盤に流れてきます。そして水盤で水が蒸発する時に熱を奪うことで室内を冷やす効果があります、が冬場だったのでとても寒かったです。

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日本には四季があり美しい自然の表情の移ろいを感じることができます。外界と遮断し機器に頼るのではなく、その季節に応じて自然を採り入れながら快適な環境を創りだす。そんな暮らしを提案できればと思いました。