価値ある住まいをデザインする

石川県の建築会社「中部ジェイ・シィ」のブログ

たてもの探訪【千葉家住宅】

ここは岩手県遠野市。山の中をずっと走っていると、小高い石垣の上に建物を発見。まるで山賊の砦のようなこの建物は「千葉家住宅」と言い、岩手県に古くから残る住宅です。建てられたのは天保年間、江戸時代の後半の頃です。

千葉家 (5)

画像ではわかりづらいですが、住宅と言っても山賊ではなく庄屋の家なので相当大きいです。

千葉家 (6)

この地域の住宅の特徴がこの形。建物がL字型に曲がっているので「曲がり家」と呼ばれています。

千葉家 (1)

年季が入りすぎて茅葺きの屋根には草が生えています。

千葉家 (2)

L字の一角の馬屋の前の廊下部分。梁も柱も構造材がしっかりしています。

千葉家 (4)

室内はこんな感じ。かなりの長さの梁が天井を支えています。部屋の壁がしましま模様のように見えますが、柱がすべて露出しているからです。外壁側に回ると同じように柱や梁が出てきています。木造建築では構造材が空気に触れていることで長持ちにつながる、このような古い建物を見ると良くわかります。

千葉家 (3)

東北の震災にも耐えた築200年近いこの建物。後世に残すために平成28年から大改修を行うことになっているとのこと。愛着を持って手入れをして長く使う。どんな省エネ設備を取り付けることよりも、地球にとって大事なことかもしれません。