価値ある住まいをデザインする

石川県の建築会社「中部ジェイ・シィ」のブログ

たてもの探訪「松桜閣」

久しぶりのたてもの探訪。富山県黒部市に「北陸の銀閣寺」と言われる建物があるとのことで、詫び寂びの東山文化を象徴する銀閣寺に対し、どれだけ渋いのかを確認しに行ってきました。庭園の中にこじんまりとした建物が。この時点で渋い。

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低く抑えたプロポーション。正面から見ると障子と板戸のコントラストが。なるほど渋い。松桜閣(しょうおうかく)と呼ばれるこの建物。明治時代に初代富山県知事の住まいとして建てられ、その後この地に移築された建物です。

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一階は天井が低く目線の先の庭園が近く感じられます。

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縁側は化粧垂木が見える勾配天井になっていて、外周部のレール、もとい敷居と鴨居がぐるっとまわっていて板戸が滑るようになっています。

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こちらは板戸が全部閉まった状態。外観でもすべてが閉まった状態になると雰囲気がガラっと変わります。全部閉まった状態も見てみたいです。

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2階からの眺め。1階の渋さに比べると、華やかな感じです。庭園の木々を上から眺めるのもなかなか良いものです。縁側に腰かけるととても気持ち良い。

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ということで「北陸の銀閣寺」はかなり渋い建物でした。古い建物から学ぶことは沢山あるとあらためて感じたたてもの探訪でした。